「インターネットで良い物件を見つけた!早速、問合せて内見したい旨を伝えました。しかし、実際に不動産会社に行ってみたら『申し込みが入ってしまいました』と言われてしまった・・・。」

みなさんはこのような経験、ありませんか?
その物件はもしかすると「おとり物件」かもしれません。実際に存在しない物件のために不動産会社へ足を運ぶというのは、時間や交通費がもったいないですよね。今回は、そんなおとり物件の種類や見極め方について解説します。

    「おとり物件」とは、「存在しない物件」「存在するが、取引対象にならない、あるいは取引の意思がない物件」の広告宣伝のことです。なぜこのような物件のインターネット広告が存在するのでしょうか。 おとり広告とは、悪意を持って行われるものばかりでなく、不注意から生まれるものも多いのです。適切な情報の更新や管理が出来ていなければ、おとり物件を生んでしまう可能性が高まります。 それでは、「おとり物件」にはどのような種類があるのでしょうか。

     

    (1)成約物件の消し忘れ

    インターネットに掲載した当初は取引可能だったが、のちに成約済となった物件を削除しないまま更新を行ってしまったり、成約済の状況を適切に把握せずにインターネット広告を掲載してしまうなど、取引のできない物件が掲載されてしまう事があります。

     

    まず、不動産会社が載せている物件は「自社で管理している物件」と「他社(またはオーナー個人)が管理している物件」に分けられます。

     

    「自社で管理している物件」に関しては、申し込みが入ったり契約済みとなったりした際には、担当営業がインターネット広告を削除します。しかし、「他社(またはオーナー個人)が管理している物件」に関して、管理会社やオーナーは自分からわざわざ不動産会社に「申し込みが入りました」という連絡をしないのが一般的です。そのため、「他社(またはオーナー個人)が管理している物件」に関しては申し込みが入ったことに気付くまでにタイムラグがあります。

     

    不動産会社は広告に載せている物件に関して定期的に状況を確認しなければなりませんが、それを怠っている不動産会社はおとり物件ばかり載せている、という状況になっているのかもしれません。

     

    また、賃貸物件を扱うサイトは大手から小さなサイトまで数多く存在します。不動産会社によってはサイトごとに登録しているわけではなく、一括更新できるシステムを使っているところもあります。その場合、システムごとに更新頻度・速度が異なるため、システム上は削除していても数日はインターネットサイトに載っていることがあります。

     

    (2)呼び込みのための架空物件

    実際に存在しないのに、集客するためにわざと広告掲載しているパターンです。 このケースでは、不動産会社は「募集していない」と認識していながらあえて載せています。「実際に存在しない」という言葉には複数の意味が含まれており、「物件そのものが存在していない」、「物件は現実に存在しているが募集内容が違う」、「既に成約している」といったことが考えられます。

     

     

    それでは、おとり物件かどうかはどのように判断したらよいのでしょうか? 不動産会社側の目線から見極め方をご紹介します。

     

     

    (1)不動産会社に問合せる

    掲載物件について不動産会社に問合せた際、不動産会社はその物件の成約状況を確認するので、最新の情報を手に入れることができるでしょう。

     

    (2)情報管理の追いついていない不動産会社の特徴をおさえる

    これは、特定の物件がおとり物件がどうかを特定するためのコツではありませんが、情報の更新や管理が追い付いてない不動産会社を見極めるのも一つの手段です。 例えば、以下の様なところに注意して見ましょう。

     

    チェックポイント

    • 物件の細かい条件(清掃費・鍵交換費などの金額の記載がなく「全部お問い合わせください」等と書かれている。)
    • 物件画像が他物件の画像と同一で、使いまわしである。
    • 物件そのものの画像が登録されていない。

     

     

    (1)相場に見合った条件であるか

    「この築年数でこの家賃、本当に!?」という物件を見かけたら、それはおとり物件かもしれません。築年数をごまかしたり、家賃を不当に下げたりして広告掲載している可能性があります。ただ、しかるべき理由があって家賃を相場より下げている可能性もあるため、気になる場合は確認してみた方がよいでしょう。


    (2)現地案内ができるか

    「数社に問合せたけれど不安、でもどうしてもこの物件が良い!」という場合は、現地待ち合わせを提案してみましょう。おとり物件の場合は、前述したように「実際に紹介できない物件」のため現地案内はできません。

     

    (3) 複数の不動産会社に問い合わせる

    不動産会社に問い合わせた際、成約済にもかかわらず「まだ空室ですよ」と返答がある可能性が無いとは言えません。不安な方は、他の不動産会社に問合せてみてもいいでしょう。

    良い物件はインターネット上に載ってから、比較的早い段階で決まってしまう傾向にあります。 特に2~3月の、学生や新社会人の引越しが集中する時期・地域では、物件はどんどん埋まっていきます。問合せた段階では見学可能だった物件も、見学当日には他の人の申し込みがされていることも少なくありません。 不動産業界の繁忙期と言われる時期に物件を探す場合や、とても条件の良い物件への住み替えを検討している場合には、早めの行動が大切です。最新情報を知るためには、早めにポータルサイトで検索して不動産会社に問い合わせてみるといいでしょう。